フィリップ・K・ディックの短篇「追憶売ります」に着想を受け、模造記憶によって火星旅行をする男がいつしか現実と夢の境界を失なって体験する悪夢のような冒険を描く、ポール・ヴァーホーヴェン監督のSF超大作。脚本はロナルド・シュセット、ダン・オバノンとゲイリー・ゴールドマン、撮影はジョスト・ヴァカーノ、音楽はジェリー・ゴールドスミスが担当。
監督:ポール・ヴァーホーヴェン Paul Verhoeven
出演:アーノルド・シュワルツェネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、ロニー・コックス、マイケル・アイアンサイド、ロイ・ブロックスミスほか。
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トータル・リコール (1990)のストーリー
ダグ・クエイド(アーノルド・シュワルツェネッガー)はいつも同じ火星旅行の夢を見てうなされる。ある日彼は<リコール社>を訪れ、模造記憶による火星旅行をすることにする。選んだプログラムは悪と戦う諜報員、そして夢と同じブルネットの女性と恋に落ちる--。しかし旅行は失敗した。彼は本来火星の支配者コーヘイゲン(ロニー・コックス)の片腕として働くハウザーという名の諜報員で、その記憶を全て消されて地球に送り込まれていたのだが、その消された記憶がリコール・マシーンによって甦り始めてしまったのだ。コーヘイゲンの部下もそのことに気づき、クエイドの悪夢のような逃避行が始まる。家に帰ってみれば、妻のローリー(シャロン・ストーン)は彼を殺そうとする。彼女は実はコーヘイゲンに送り込まれた監視役だったのだ。行き場を失なったクエイドに謎の男からスーツケースが渡され、その中のビデオモニターに映る彼自身が全ての事情を教え、火星に向かい、コーヘイゲンを倒すための極秘情報を取り戻すように告げるのだった。火星に潜入したクエイドはレジスタンスの一員であり夢の中の女性と同じメリナ(レイチェル・ティコティン)という女性に会う。クエイドをハウザーだと思った彼女はクエイドに抱きつくが、クエイドは自分は全ての記憶を失なっているのだと言う。最初は信用しなかったメリナだが、やがて彼をレジスタンスの指導者クアトーの元に連れて行き、協力してコーへイゲンを倒すことを誓う。しかしその頃コーヘイゲンはレジスタンスの本拠地である地区の空気供給をストップした。クアトーはクエイドに火星の先住民族の残した大気を作る反応炉の存在を教え息絶える。クエイドとメリナは、必死に反応炉を作動させようとするが、勢い余って空気のないドームの外ヘコーヘイゲンと共に飛び出してしまう。あの悪夢と同じ光景。2人はあやうく窒息死しそうになるが、その時突然反応炉が動き、大爆発の後、火星に大気と美しい青空が甦った。